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クリス智子 クリス智子
クリス智子

GWの過ぎるころ

CHRIS TOMOKO

GWの過ぎるころ

CHRIS TOMOKO

 ゴールデンウィークは、いかがでしたか。普段と少し違う日々の流れだったのでは。わたしは、例年GWは「ゆっくりする日」と「思いっきり楽しむ日」といった感じの、ある程度、静と動のバランスを考えて予定するものの、大抵この時期ならではの陽気の良さに「ゆっくりする日」は蒸発しがちだ。今年も振り返れば、少し無理した日もあったけれど、楽しく忙しく、いろんな人にも会えた充実のGWだった。

 鎌倉の我が家の庭には竹があり、つまり筍が出るので、いつからか、この時期は友人知人が家に集まり筍を愉しむ時にもなってきた。今年も何度か10人15人と集まる日があり、達成感と満足感。iphone をスクロールして、この8年ほどの「4月」を確認してみると、筍が4月5日に出る年と、4月11日に出る年とがある。どういう理由なのだろう。雨や温度、色々と条件はあるのだろうが、不思議だ。なぜか5日か11日が多い。今年は「なかなか出ないね」と竹の土をパトロールすること数日、11日に出た。庭の山椒の葉が芽吹き出した数日後に筍は頭を出す。そんな自然の呼応は、毎年見ていて小さく感動する。

 青空の下、友人たちと集まったほかには、子供の三者面談、バレエ観劇、葉山の棚田での自然と呼応する音楽ライブ、ご近所さんにお呼ばれご飯会、ご近所さんと昼飲み近況キャッチアップ、どさくさにまぎれて自分の誕生日あり、大学生になった甥っ子が泊まりに来たり、移動中は、読書や作品鑑賞、仕事は番組収録に、原稿書き、さらには新しい活動(「Cafune」といいます)の始まりのためのHP立ち上げにも精を出した。少し気張りすぎかなぁと思うと、鶯をはじめ、谷戸の鳥たちが、いい声でよく歌ってくれ、気持ちがほぐれた。

 ちょっとばかり鳥が羨ましくなるGWでもあった。というのも、特に今年のGW中の鎌倉は、寺も道も花も山も見えなくなるんじゃないか?というほどに人でごったがえし、観光地の宿命とはいえ、いくらなんでものキャパオーバーを感じた。長谷の大仏も、立って逃げ出すんじゃないかと!昨年から目に見えて、海外旅行者は増えているけれど、住人は自分たちの生活の用事は早めに、またはなるべく徒歩圏内で済ませようと考えざるをえず、なかなか苦労する。仕事や学校の日もあるので、ぎゅうぎゅう詰めの江ノ電は、乗るのも降りるのも気合が要る。始発の鎌倉駅では、1,2本(=15-30分)電車に乗れない事態が発生することあり、いつものように日常生活が送れなくなってしまうのだ。住民用の車両を切に願う声も出る。道にも人が溢れるので、車の運転も非常に怖く、インバウンドによる日本への海外旅行者増加と、それに伴う観光地での様々な問題のニュース、このところ痛感中。いらっしゃった皆さんも、ゆっくり楽しめたのだろうか...と気になる。

 近場のレストラン、酒屋さん、花屋さん、BAR...この1週間から10日、どうだっただろう。明日からは、しばらく行き控えていた、馴染みの店に顔を出して、様子を聞きがてら、いつものように買い物をしたいと思う。この間買っておいしかった紅茶の感想も伝えなきゃ。買い物と言えば、この時期のもうひとつのお楽しみは、来客のお買い物の置き土産。自分ではなかなか買わないものに出会えることが多く、今、我が家の冷蔵庫には、水キムチと名店のコンビーフがまだ残っている。どちらもとてもおいしく、楽しい時間を思い出しながらいただいている。さて、アフターGW、目に眩しい緑を見ながら、みなさんもリフレッシュスタートを!

 

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